岡田尊司著「マインド・コントロール」はカルト脱退のための助けとなるか?

こんにちは。脱サイエントロジー教会活動を続けているヒカリです^^

さて、本日は、カルト団体からなかなか脱退できない方、
あるいはご家族がカルト団体に参加していてどう対処したら良いか困っている方に
お勧めしたい本について書きたいと思います。

 

タイトルはそのものずばり、「マインド・コントロール」です。

 

日本人の元シーオーグメンバーの女性が

「かなり衝撃を受けました

 中には私たちが味わった世界のことがしっかり書かれていました」

と紹介してくださったものです。

 

書籍名:マインド・コントロール

作者:岡田尊司

出版社:文藝春秋


 

 

本の内容

第一章 なぜ彼らはテロリストになったのか
第二章 マインド・コントロールは、なぜ可能なのか
第三章 なぜ、あなたは騙されやすいのか
第四章 無意識を操作する技術
第五章 マインド・コントロールと行動心理学
第六章 マインド・コントロールの原理と応用
第七章 マインド・コントロールを解く技術

 

 

軽い読み物ではありません。

人間心理やマインドコントロールの歴史について
かなり突っ込んだ解説がなされています。

この本では、カルト団体にかかわりを持ってきた、
もしくは現在持っている方にとって重要な次のような情報が得られます。

 

・なぜマインド・コントロールが可能なのか

・どういう人がマインド・コントロールされやすいのか

・マインド・コントロールを解く方法はあるのか?もしそうならどうすればいいのか

 

手っ取り早くマインド・コントロールを解く方法を知りたい方は、
まず「第七章 マインド・コントロールを解く技術」を読まれるといいかもしれません。

 

マインド・コントロールの理由と解決策

 

マインド・コントロールという問題の難しさとは、それがコントロールされる側にも原因があるという点にあります。

 

もちろん悪質なマインド・コントロールをするカルト側にも責任はあります

ただ、コントロールされる側は、どこかでそれを欲している、
依存したいという気持ちを持っている
のです。

 

だから、何年、何十年もカルト団体から抜けられない
という状況が存在するのです。

これを無視して、団体ばかりを責めていては何も解決しません。

 

では、どうすればいいのでしょうか?

 

例えば、あなたの家族の一員が危険なカルトにハマっているとします。

そこで、カルトの参加者である家族に対して、
「あなたはあの団体に依存しているのよ!目を覚まして!」
と言ったとしたらどうでしょう?

 

残念ながら、まず効果は見込めません。

反発を生むだけです。

 

いくらあなたが家族のことを思って言ったとしても、
本人にとってはそれは単なる否定・非難にしか過ぎないからです。

 

なぜなのか?

 

これは私の経験からも言えますが、
カルトにコントロールされてしまう多くの人は、
家族関係に問題があり、家族との信頼関係がありません。

 

そういった人は、
人生や家族関係の悩みを親身になって聞いてくれる(ように見える)カルトのメンバーや
役に立つ(ように思える)教義・理論を
自分の家族より信頼してしまうのです。

 

ですから、家族を脱カルトさせるのに最初に必要なことは、
家族の信頼関係の再構築です。

 

これに関しては、「第七章 マインド・コントロールを解く技術」の中の
「救出カウンセリング」、
「両価的な気持ちを明確化する」、
「依存する気持ちの根底にあるもの」、
「つながりの回復」、
「自己価値を回復する」のセクションに詳しく述べられています。

繰り返し、腑に落ちるまで読まれることをお勧めします。

 

マインド・コントロールの解除には
それなりの時間と努力が必要とされるでしょうが、
この本のデータはその助けになってくれると思います。

 

マインド・コントロール 増補改訂版 (文春新書)