Hulu限定の海外ドラマ、ザ・パス(THE PATH)は、サイエントロジーをモデルにしているのではないか、というネット上の噂があります。
実際に、20年間サイエントロジーの複数の組織に所属していた私も興味があったので、ドラマを見てみました。
現在までに8話まで見ての感想です。
THE PATH/ザ・パスのあらすじ
舞台は、新興宗教団体「マヤリズム(Meyerism)」のコミュニティ。
そこで主人公のエディとサラの夫婦は、創設者マヤ博士の教えに従って生活していた。
しかし、エディが修行の一環として、ペルーを訪れた際に、薬の影響下であるビジョンを見てしまい、マヤリズムに疑いの気持ちを持ち始める。
彼は、生まれた時からマヤリズム内で暮らしてきた妻のサラに自分の経験や疑いを話すことができず、マヤリズムを去ったある女性とコンタクトを取り始め、それが2人の間に亀裂を生み出す。
エディが見たビジョンは幻覚ではなく、創設者のマヤ博士は不治の病にかかって死にかけていた。
サラの昔からの知り合いのカルは、野心的な人物で、マヤ博士の病状を知っていて、彼の亡き後、活動のリーダーの地位を得ようと考えている・・・
THE PATH/ザ・パスとサイエントロジーの類似点・相違点
博士の書いた哲学書のような理論に基づいた活動であり、独自のコミュニティを持つカルト、という点ではマヤリズムとサイエントロジーは多少似ています。
ただ、通常のサイエントロジーのメンバーは、あそこまでのコミュニティを作って住んではいないし、肉を食べないとかの制限はありません。
勉強やオーディティングがなければお酒も飲みますしね。
コミュニティで共同生活といえば、シーオーグメンバーですが、シーオーグメンバーには、あのドラマのエディとサラほどの自由度はありませんね。
スケジュールも厳しいし、セキュリティーに見張られていますから、エディやカルのように、コッソリ抜け出して勝手なことをするなんてまず無理です。
個人的には、マヤ博士がL.ロン ハバードで、カルがD.ミスキャベッジなのかなぁ・・・なんて思いました。
特にカルはカリスマ然としているけれど、時々感情を爆発させてしまうところなど、ミスキャベッジを思わせます。
また、サイエントロジーの、自己成長の段階的な道筋を「ブリッジ」(The Bridge=「橋」の意)と呼びますが、それと似たような段階がマヤにもあります。
ドラマ内では、「はしご」(The Ladder)と呼ばれ、「7R」といった特定のレベルの名称が出てきます。
(正直、「キミは7Rだから・・・」といったセリフが出てくると、思わず笑ってしまいます。)
おそらく、サイエントロジーを含めた、カルト団体の特性や教義の特徴をうまく取り出して、ドラマの設定に使っているのでしょう。
制作者で脚本家のジェシカ・ゴールドバーグは、これはサイエントロジーと関係ない、と断言しているようですが・・・もちろん、「サイエントロジーをモデルにしました」などと言おうものなら、訴訟攻撃が始まりますので、仮にサイエントロジーをモデルにしているとしても、絶対にそれを認めようとはしないでしょうが。
とにかく、カルト団体内部の人々、カルト団体を去った人、カルト団体外部の人などの複数の視点からストーリーが構成されているのが非常に興味深いですね。
続きが楽しみです。
興味がある方はHuluで観てみてください。
個人的に関心があるのは、現在サイエントロジーのメンバーである人たちが、このドラマを観てどう感じるのかな?ということです 笑