ドラマ『アレンジメント ハリウッドに潜む闇』のモデルはサイエントロジーなのか?

ヒカリです。

現在(2020年6月現在)、Huluで配信中の海外ドラマ『アレンジメント ハリウッドに潜む闇』が、サイエントロジーとそのパブリックであるセレブをモデルにしている?!という噂を耳にし、視聴してみました。

以下、内容のネタバレを含む私の感想です。

アレンジメント ハリウッドに潜む闇の内容

ヒロインのメーガンは、ウエイトレスをしながら女優を目指している。彼女は、ハリウッドの押しも押されぬ大スター、カイル・ウエストの相手役のオーディションに応募。そこでカイルに見染められ、あれよあれよと言う間に恋人関係に。

カイルは「ハイヤー・マインド」という自己啓発団体に所属している。カイルは「ハイヤー・マインド」の創設者であるテレンスをメンターと仰ぎ、そのアドバイスに従って行動していた。現在の地位を獲得したのも、ハイヤーマインドのおかげ。

テレンスのアドバイスもあり、カイルはメーガンに契約結婚を提案する。

・・・

というのがあらすじです。

・ハリウッドの大スター
・自己啓発団体のリーダーとの交流
・シンデレラストーリー

という要素から、アメリカではこれがトム・クルーズと元妻ケイティ・ホームズをモデルにしていると話題になったとの事。

↓2017年3月3日のワシントンポストの署名入り記事「アレンジメントは明らかにトムクルーズとケイティホームズをもとにしたドラマ」

では、ドラマ『アレンジメント ハリウッドに潜む闇』、第1シーズン全話と第2シーズンを視聴した時点での私の感想と考察を書きたいと思います。

アレンジメントがトムクルーズとケイティホームズに似ていると思われる点

製作関係者は「誰かをモデルにした作品ではない」と発表したとのことですが、確かに類似点は多いです。

  • ハリウッドの大スターが参加している自己啓発団体
  • 大スターと自己啓発団体リーダーとの密接な関係
  • セレブと結婚した女優のシンデレラストーリー
  • 以前のパートナーとの離別原因は自己啓発団体?
  • 自己啓発団体の矯正施設に強制入所させられる

等々・・・

ひとつずつ解説しますと

ハリウッドの大スターが参加している自己啓発団体

ドラマ:大スターのカイル・ウェストは、「ハイヤー・マインド」という自己啓発団体のメンバーである。

 

現実:トム・クルーズは、30年以上に渡るサイエントロジー教会のメンバーである。

サイエントロジーにはセレブリティをターゲットにした「セレブリティ・センター」という施設も存在する。

ただまあ、セレブが精神世界に興味を持つというのは、トムに限らず、以前からあった話です。

例えば、コロラドにニューエージコミューンを作ったジョン・デンバーとか、チャネリングを含む精神世界ブームを引き起こしたシャーリー・マクレーン等、ですね。

 

大スターと自己啓発団体リーダーとの密接な関係

ドラマ:カイル・ウェストは「ハイヤー・マインド」のメンバーであるだけでなく、創設者のテレンスとも個人的に密接な関係を持っている。

 

現実:トム・クルーズは、サイエントロジー教会の実質的なリーダーであるデイビッド・ミスキャベッジと個人的にも親しい。写真のように一緒にバイクに乗ることも。

トムとケイティ・ホームズとの結婚式のベストマン(介添人)はミスキャベッジが務めています。

セレブと結婚した女優のシンデレラストーリー

ドラマ:ウエイトレスをしながら女優を目指すメーガンは、ハリウッドの大スターであるカイル・ウエストとのオーディションで彼に見初められ、セレブの華やかな生活の仲間入りをすることになった。

 

現実:トムの元妻ケイティ・ホームズは、子供のころからトムにあこがれ、結婚したいと思っていたそうです。

ケイティ「小さな女の子なら誰でも(自分の結婚式を)夢見るわよね。私もトム・クルーズと結婚すると思っていたわ。」
—2004年10月雑誌セブンティーンのインタビューにて

ケイティ・ホームズは、2005年4月に「ミッション・インポッシブルIII」のオーディションでトム・クルーズに出会い、その月のうちに交際が公表されました。

ただ、トムと出会うよりも前から、ケイティはモデル・女優として活躍し、『バットマンビギンズ』のヒロインを演じるなどそれなりにキャリアを重ねていたので、トムに見いだされた、という感じではないですが。

 

以前のパートナーとの離別原因は自己啓発団体?

ドラマ:カイルが元恋人リザリズと別れた原因はどうやら自己啓発団体「ハイヤー・マインド」にあるらしい。(第1シーズンでは明確になっていない。)

 

現実:トムの元妻ニコール・キッドマンは離婚の原因について明言はしていませんが・・・

ニコールの父がサイエントロジー教会が「抑圧的」とする精神科医であること、離婚後にニコールがサイエントロジーを去っていることから、離別原因のひとつがサイエントロジーであるとするのはあながち間違えではなさそうです。

注:サイエントロジー教会の方針では離婚は禁じられていません。ロンハバード自身も、2回離婚しています。教会のスタッフは、シーオーグ内でも離婚するケースは結構あります。

サイエントロジー教会のドキュメンタリー『ゴーイングクリアー』においては、教会側がニコールとトムの破局を望み、トムがニコールに不信感を持つよう仕向けた、というエピソードが語られています。

 

自己啓発団体の矯正施設に強制入所させられる

ドラマ:ハイヤー・マインドのメンバーが倫理的に不適切な振る舞いをしていることが分かった時、「矯正施設」に半ば強制的に入所させられてしまう。

 

現実:サイエントロジー・シーオーグでは、そのメンバーが倫理規範に背いたり、生産が上がらなかった場合、RPFというリハビリ・プログラムを受けさせれらる。RPFでは、黒からグレーのユニフォームを着せられて、一日の半分はレノベーションなどの労働を行い、残りの時間はメンバ―同士で「邪悪な意図」をハンドルするための相互オーディティング(フォルス・パーパス・ランダウン)を行います。

また、2000年代の初め、サイエントロジー教会の上級役員の多くが、「Hole(ホール)」という施設に強制的に隔離され、虐待を受けていたとの報告もあります。

ただし、ドラマにあるように、スタッフでもない一般のメンバー(パブリック)が強制的に入所させられる、という事実は私の知る限りないと思いますが。また、ドラマの施設自体はホテルみたいなきれいな部屋でベッドも大きいし、食事もちゃんとしているので、全然違うと思いました 笑

 

ドラマ『アレンジメント ハリウッドに潜む闇』、ヒカリの感想

まず、トムとケイティの状況やサイエントロジーをモデルにしていると言っても、何となく似ている程度なので、あまり期待するとガッカリすると思います。

お話自体は、女性週刊誌に連載されているマンガとか、一昔前の大映ドラマみたいに、次から次へと問題が降りかかってきて飽きないと言えば飽きないのですが・・・ちょっと「え?この展開、不自然過ぎない?」ということも。

個人的には、「すごくお勧め!」という感じではありません。もし、時間があればそれなりに楽しめます。

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※いずれも6月29日現在のデータです。詳しくは各配信サイトを確認してください。